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脳出血した中高年のための怪談100物語

100-87 あいさつ

100-87 あいさつ 前話の100-86 祈祷 Sさんは現在、50代だ。 誠はいまではたまにSさんのお宅にお邪魔して、世間話をしたりする付き合いをさせてもらっている。 Sさん一家は現在も○○の信徒で、そのせいかもしれないが、彼女は最近では死者の声が聞こえるよ…

100-86 祈祷

100-86 祈祷 Sさんが通っていた高校には聖書の授業があった。 教科書はもちろん新訳聖書である。 カトリック系の学校なので教員もほとんどがキリスト教徒で、聖書の授業では神父の資格? を持つ教員が聖書の説話を読み解いてくれた。 時には涙を流したり、…

電子書籍 Kindleにて、秋の夜長は過ぎてしまったかもですが、おともに鈴木誠の100物語なんていかがでしょうか?

おはようございます。 長女です。 www.amazon.co.jp 昨晩、私達のブログ読者様、くにん様(id:kuninn)より、 『電子書籍版 鈴木誠の100物語』をご紹介下さいました。 ただいま、一巻~三巻まで販売しております。 (一巻、10話ごとにまとまっております。) ※リ…

100-85 宗教

100-85 宗教 霊能者鈴木誠のもとを訪れた青年は、美形だった。 高級そうなスーツ、靴、腕時計、趣味のよいネクタイ、整えられた髪、つややかな肌。手入れされた爪と、漂ってくるコロンの匂いも安っぽくなく、そちらの趣味のない誠が見ても男性としての色気を…

100-84 雷

100-84 雷 変電機だったと思う。 ともかく危険でさわってはいけない電気施設には間違いない。 子供だったKはその機械の側にいて、素手でそれに触れた。 なぜ、そんなことをしたのか自分でもよくおぼえていない。 体中に電流が走って、その場から動けなくなっ…

100-83 拒食

100-83 拒食 自分の体重を自由に増減できるU子さんという女性がいる。 彼女はかなり正確に、なんなら100グラム単位で自在に体重の増減できるほどだ。 別になにか一つの運動に特化しているとか、ヨガの達人というわけではない。 高校生の頃のU子さんは、普通…

「鈴木誠の怪談100物語」、Kindleと楽天Koboで電子書籍を発売します。

こんにちは。 本気で本です。 ご報告です。 長らくこのブログで連載してきた「脳出血した中高年のための怪談100物語」を「鈴木誠の怪談100物語」として、KindleとKoboで電子書籍として発売することにしました。 どちらも、ただいま審査中なので審査が終わり…

100-82 異化

100-82 異化 家が母子家庭で、母が頑張って自分を養ってくれているのはわかっていた。 夜、化粧をして毎晩でかけていくのも、お金を稼ぐためにお店へ行っているんだとなんとなく理解していた。 夜中、たまに知らない男の人が母と一緒に帰ってきて、しばらく…

100-81 忘れられない-3

100-81 忘れられない-3 夜、約束した時間に道子が待っていると、昼間と変わらない格好で誠はやってきた。ネットの情報ではこのコンビニにからすぐ近くの国道沿いの歩道に、ゆきとおじさんは現れるらしい。 2人は深夜、いつの間にか姿を見せ、ゆきがおじさん…

100-80 忘れられない-2

100-80 忘れられない-2 「霊視 お祓い 霊との交流etc」 と、いかがわしいとしか言いようのない業務内容が記された案内が、霊能者、鈴木誠事務所のHPには提示されている。 当然ながら、ここを訪れる客はこのHPを見てからくる者が多い。 道子もまたその…

100-79 忘れられない-1

100-79 忘れられない-1 道子はずっと同じ悪夢に悩まされ続けている。 いまから30年以上前の、まだ20世紀の終わり、いわゆる世紀末だった頃の地方都市の田舎町が舞台だ。 当時と2010年代後半のいまでは、そんなに大きな違いはない気もするが、やはりいろいろ…

100-78 死を忘れた男

100-78 死を忘れた男 霊能者、鈴木誠は比較的よく入院する。 体調を崩す原因は、いわゆる霊障もあるのだろうが、もっと単純に仕事がらみで裂傷や骨折などの外傷を負うこともままある。 30を過ぎたいまも両手両足、両目耳があるのは幸運なのかもしれないと我…

100-77 頭のよくなる本

100-77 頭のよくなる本 「実は秘密の本を手に入れたんだ」 Sが友人のMからそう打ち明けられたのは、夏休み明けの9月のはじめだった。 高校の夏休み中に1人で市内を散策していて、廃墟を見つけたのだという。 「外はちょっと壊れてるんだけど、中は全然、き…

100-76 Dの寮

100-76 Dの寮 京都にある有名私立大学Dに地元の幼なじみが入学した。 僕たちの地元は中部地方なので幼なじみのHはDの学生寮に住むことになった。 そして大学一年の冬休み、僕は地元の友達のTと二人でHが暮らすDの学生寮へ泊まり込みで遊びに行った。 Dの学…

100-75 早九字-2

100-75 早九字-2 廃マンションで倒れた誠は、そのまま意識を取り戻さなかったので、Kたちが学校まで誠を運び、そこで救急車が呼ばれた。 結局、誠はしばらく入院することになり、Kたちは教師たちから注意を受けた。 しかし、霊能者である誠に、霊力? で勝…

100-74 早九字-1

100-74 早九字-1 Kは、怖い話が好きだった。 どちらかといえば引っ込み思案で、ややいじめられっこだったが、怖い話が好きでいろいろ知っていたので、その点についてだけは、学校の友達にも一目置かれていた。 中学生になってもそれは変わらなかった。 中学…

100-73 遺言死

100-73 遺言死 自分なりに真剣に考えた結果、その青年は、毎晩、インターネットで人のいまわの際の映像を探して、それを見ているのだという。 「事故や災害、戦争なんかで、腕が取れたり、胴体がもげて内臓がはみでているものもあります。 まさに、その人が…

100-72 探偵物語-5

100-72 探偵物語-5 1、 逮捕された回数はたくさんありすぎて、忘れてしまった。 Jが日本にきたのは、中学生の時だ。 それまでは、生れた国にいた。 金持ちの親戚の家で、なに不自由なく暮らしてきた。 しかし、父親と日本へくると状況は一変した。 いつの間…

100-71 探偵物語-4

100-71 探偵物語-4 亡き父親の後をついで現在は私立探偵をしているKが、県会議員のMへの暴行傷害の容疑で逮捕されてすぐ、鈴木誠もKの共犯として、任意の取り調べを受けることになった。 誠がアパートまできた警官たちに連行されて、市の警察署の着いた時、…

100-70 探偵物語-3

100-70 探偵物語-3 Kの息子に連れられて所轄の警察署を訪れた誠は、これまでも何度か仕事がらみで世話になってきたせいか、想像以上に、刑事たちに好意的に迎えられた。 「Kさんの仕事を鈴木さんが引き継ぐのかい。 それは心強いね。 Kさんの件はこっちも…

100-69 探偵物語-2

100-69 探偵物語-2 「父は学校をでてから警官になり、定年退職するまでは、ずっと警察に勤めていました。 そして退職してからは、私立探偵になったのです。 自分にはしなければならない、仕事があるといって」 朝からの訪問者はKと名乗り、誠に事情を話しは…

100-68 探偵物語-1

100-68 探偵物語-1 人に監視されるのは、あまり気持ちのいいものではない。 監視者がどんなに巧みに姿を隠していても、気づいてしまえば、なんとなくあちらの気配が感じ取れて、落ち着かなくなる。 鈴木誠は、霊能者という職業柄、人間以外のものにも監視さ…

100-67 おふだ

100-67 おふだ Mさんにとって霊能者と話をするのは、珍しい体験だった。 霊能力に興味はあるが、自分にはそんな力はないし、心霊的な怖い思いをしたいとも思わない。 でも、実際に霊能者に人と話ができるのなら、聞きたいことはいくつもあった。 鈴木誠とい…

100-66 フィーリング

100-66 フィーリング Xさんは有名な僧侶のお孫さんだった。 Xさんのおじいさんが住職をされているお寺は有名で、TV番組で特集が組まれたこともあるほどだ。 だからか、Xさんは宗教や霊というものを信じていない。 高僧だったおじいさんは、いまは痴呆老…

100-65 うさぎ

100-65 うさぎ 「鈴木さん。 動物霊って本当にいるんですか?」 誠の事務所に訪ねてきたのは、まだ若い女性だった。 自己紹介によるとCさんは、20代で女優を目指しながら、アルバイトで生活しているという。 気になることがあって霊能者の誠の事務所にやっ…

100-64 火事

100-64 火事 昭和の昔に、その日、地震が起き、その場で、火災が発生したのは事実である。 それは、当時の新聞にも載っている。 A「わたしは、本当に子供だったんで、なんにもおぼえてないんです。 ただ、家の下敷き、というか、瓦礫の下で泣いてたことはお…

100-63 霊障

100-63 霊障 ある時、出張の帰りに長距離列車に乗ったNは、列車があるトンネルに入った途端、背中に痛みを感じた。 激痛だった。 普通に座っている姿勢を保つことができなくなり、前屈みになって両手を床についた。 痛みはどんどんひろがろがって、背中全体…

100-62 水

100-62 水 スーパー銭湯で見ず知らずの年配の男性に声をかけられた。 かなり太った体格のいい男性で、腹部に大きな手術の痕があった。 相手はどうやら知り合いとカン違いして、誠に声をかけてきたらしい。 「いやいや、すみませんでした。 雰囲気がよく似て…

100-61 1人稽古

100-61 1人稽古 Kがその空手道場で内弟子をすることを決めたのは、そこの道場主が流派の総本部の内弟子出身で、空手道に人生をかける姿勢に憧れたからだった。 道場で寝起きして、自分の鍛錬と道場生の指導、事務仕事、あれやこれやをして日々をすごす。 も…

100-60 オススメ

100-60 オススメ 「この店は、とにかくヤバイんで、鈴木先生をぜひ一度、連れてきたかったんですよ」 知り合いのMの青年に勧められて、誠はMと近所の中華料理屋へ行くことになった。 Mによると、この店はへたな霊現象よりもよほどヤバイのだという。 「ま…

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