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製造人間は頭が固い 上遠野浩平 ハヤカワ文庫JA②

 それでは今年の6月に発売された(2017年6月25日発行)された「製造人間は頭が固い」を紹介します。

 上遠野浩平の本が早川書房から発売されるのは、これが初めてです。この本も人類統和機構(作中ではシステムと呼ばれている)が存在する世界を舞台とした物語ですので、これまで他者の上遠野浩平作品を読んでこられた方は、違和感なく読み進めることができるかと思います。

上遠野作品、初体験の人の方がハードルが高いですね。

 

「製造人間は頭が固い」

 

目次

 

 奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 1

製造人間は頭が固い The Institutional Man

 奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 2 

無能人間は涙を見せない The Incompetent Boy

 奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 3

双極人間は同情を嫌う The  injured Gired Girls

 奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 4

最強人間は機嫌が悪い The Invincible Man

 奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 5

交換人間は平静を欠く The Interchangeable Man

 奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 6

製造人間は主張しない The Industrial Man

 奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 7

 

あとがき 無限人間に生きがいはない

 

人間を生物兵器「合成人間」に変化させる能力を持つ製造人間ウトセラ・ムビョウ。彼と少年コノハ・ヒノオが巻き込まれたとある監禁事件から、すべてが始まった。ムビョウと無能人間/双極人間/最強人間/交換人間の邂逅、そして奇妙な論理に導かれる意外な結末とは――〈ブギーポップ〉シリーズに連なる物語

(Kidleストアの紹介分引用)

 

 「製造人間は頭が固い」を1章ずつ紹介していきます。

 目次を見てもらうとわかるように、本書は13章と、あとがきで構成されている連作短編集です。

 このうち、1.3.5.7.9.11.13章にあたる、奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 1~7は、各4、5ページほどの掌編で、他の各章の物語を補足するような感じのパートになっています。

 本文全体の最初と、2・4・6・8・10・12章のはじめに、上遠野浩平の作品世界内に存在した作家(すでに死去している設定になっている)、霧間誠一の著作からの引用文が、置かれています。

 

奇跡人間は気が滅入る The Incomparadie Ledy act 1

 

登場人物:フェイ・リスキィ カリツギ・リョーイチ(と思われる人物。作中に名前表記なし)

 

 全体のイントロダクション的な短い章です。

 フェイとカリツギらしき人物の2人が会話をするだけの内容で、しかもカリツギの名前も表記されません。

 これまで上遠野作品を読んだ経験のない人がいきなりこれから読み始めたら、面食らうと思います。

 説明もなにもありませんが、この作品の舞台は、上遠野作品によく登場する、人類統和機構が存在する世界なのです。

 この章では、フェイとカリツギの会話から、製造人間というやつがいて、そいつは一筋縄ではいかない、かなり難解な人物らしい、ということさえ感じられれば、それでOkです。

 ここを読んで、この作家とは、自分はどうも性が会わないらしい、と思われた方は、この本はパスした方が賢明でしょう。

 

 製造人間は頭が固い The Institutional Man

 

 登場人物:ヤナギサワ・トモキ カリツギ・リョーイチ オハラ夫妻 統和機構の女(名前表記なし)ウトセラ・ムビョウ 赤ん坊 

 

 本書の表題作です。

 ですが、実質的な物語の最初のエピソードになっていることからもわかるように、あくまで今回の一連のお話の第1話であり、ここは始まりであって、この本全体を代表する短編というわけではありません。

 都心の超高級ホテルのスイートルームに、サハラ夫妻は、ある人物に、お願いをしにきています。

 オハラ夫妻は夫婦共に社会心理学の世界的権威として名を知られています。

 二人が会いに来たのは ウトセラ・ムビョウ。

 人類統和機構に属する製造人間ことムビョウの力を借りて、生まれつき心臓の弱い息子(赤ん坊)を救いたいのです。

 人類統和機構のエージェント、カリツギ・リョーイチもオハラ夫妻の側に立って、ムビョウとの交渉をすすめていきますが、ムビョウはなかなか夫妻に協力してくれません。

 システム(人類統和機構)の決まりがあるので例外は認められないとか、この子供に価値はあるのか? 話は、どんどんまどろっこしくなるばかりです。

 どうしても息子を救いたいオハラ夫妻が提案したのは、息子だけでなく、夫妻も一緒に人類統和機構の合成人間になることでした。

 親子3人で合成人間として組織の管理下で生きてゆく。

 オハラ夫妻の決意に、ムビョウも応じて、ついに3人が合成人間に生まれ変わろうとしたまさにその時。

 

 残念ですが、ここから先は本でお読みください。

 ここまで紹介すれば、興味のある人は本を読んでくださるかと思います。

 以降も、各編の最終的なネタバレはしない形で紹介していきますので、よろしくお願いします。

 

 

 

 

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