脳出血した中高年のための怪談100物語 更新中です。 怪談はあなたと私をつなぐ、1話2000字のコミュニケーションツール 広告

100-25 その家-2

 

 

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映像出典差先

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100-25 その家-2

Yが入院したのを知って、誠は見舞いへ行った。

病室でのYは、あのアパートで出会った怪異について話した。

 

「喰っても喰っても腹が減るんです。

俺はもともと痩せの大食いなんですけど、あそこにいると、いくら食べても腹が減る。

俺、激辛の食べ物が好きなんですよ。

ラーメンでもお菓子でも。

先生は、XXムーチョとか食べますか?」

 

「いや、僕は食べないけど」

 

食べはしないが、誠もXXムーチョは知っている。

辛さがウリの有名なスナック菓子だ。

 

「俺、あれ一袋ぐらいなら全然平気でいつでも食べれるし、あれに唐辛子をかけて食べたりもするんです」

 

「それはやりすぎだよね」

 

「はい。でも、平気なんで。いままでそうしてきたんです。

ラーメンも北極ラーメンとかよく食べます。

ただ、基本、好きなんですけど、あの部屋で食べてると、吐いても、やめられないっていうか、吐きながらも、食べるのをやめられなくなるんですよ」

 

「お酒に酔ってるような感覚になる・・・?」

 

誠は単純にそう思った。

 

「違います。

あそこだと、どんなに食べても、まだ食べなきゃ、まだ食べなきゃ!!って気になるんです。

それでここんとこ、胃腸の調子が悪くなって、それで」

 

Yは意味ありげに言葉を切った。

 

「吐くだけじゃなくて、血便がでたんです。

 

それで、俺このままだと血を吐くな、って予感がしてきて、怖くなって、病院へ行ったんですよ。

 

そうしたら、即入院で、内臓が腐ってるって言われました。

俺がこんなになるまで食べてるのは、あの家のせいです。

先生、俺の家で激辛ラーメン食べてみますか?」

 

Yはまじめに聞いてきた。

 

「さすがにそれはしないよ。

その、食べるのがやめられないって、どういう感じなのかな?」

 

「なんだか、マラソンしてるっていうか、肉体の限界までいかないと、やめちゃいけないって、気持ちになるんですよ。

先生、ほら」

 

Yは携帯で撮影した自分の部屋の様子を誠にみせた。

部屋の床には、数えきれない激辛カップ麺の空き容器と、XXムーチョの袋があった。

十や二十ではきかない数だ。

 

「きみ、こんなことしてたら本当に死んでしまうかもしれないよ?」

 

「ですよね。

だから、俺も入院して安心してるんです。

あの部屋へは戻りたくありません。

あそこ、おかしいですよ」

 

Yの言い分はもっともだと思った。

前の依頼人の経験も、Yの経験も普通ではない。

誠はあの部屋、もしくはあのアパート自体に興味を持った。

あのアパートの大家さんは、どんな人なんだろうか?

誠はYから、あのアパートを仲介した不動産屋を聞いて、そこを訪ねた。

前の依頼人とYの件だけでは、いわゆる事故物件とは呼べないが、しかし、仲介する不動産屋が放置しておいていい問題だとも思えない。

 

「それで、あなたは拝み屋さんなんですね?」

 

不動産屋は、誠を怪しんでいる感じだったが、それでも話をしてくれた。

 

「あそこはねぇ、大家さんが変わった人だから、そういうことがあってもおかしくないと思います。正直」

 

「大家さんは、どんな方なんですか?」

 

「え?まだ、会ったことないの?」

 

「はい。もしよければ、お会いしたいですね」

 

「あんた、あそこに住みたいの?」

 

「それはちょっと・・・・・・」

 

話を聞くぐらいならともかく、あそこに住むとなると、命がけになる気がした。

 

「会いたがってる人がいるって、大家に話をしてあげるよ。

会ってくれるんじゃないかな。あんた、あの土地については知ってるのかい?」

 

「すみません。知りません」

 

「あそこはねぇ、代々、あのへんの庄屋をしていた家が持っていた家屋敷でね。

いまの大家さんもそこの子孫なんだよ。

大家さんのお父さんは、あのへんの町長をしていた人でね。

若いころは有名な柔道選手だったそうだよ。

奥さんと死に別れて、新しい奥さんをもらって、病気になって寝たきりになって、あそこで亡くなられてね。それぐらいから、息子さんもだんだんおかしくなって、何度も変な建て増しをしてね。

奥さんは、旦那さんが死んだら自分の子供を連れて、出て行っちゃったよ。

霊とかそういうのは私はわからんけども、あの家ではいろいろおかしなことはあったよ。

いまだって毎日、おかしなことは起きてると思うよ」

 

不動産屋の話に、誠はピンときた。

 

代々の庄屋の家系で現在は息子さんが後を継いでいる、先代は病死。

無茶な増改築を重ねた家。怪異が生まれる可能性は十分だ。

アパートの大家と誠が会ったのは、その夜だった。

連絡を受けた大家は、誠が霊能力者だと聞くと、会いたいと言って、自分から誠の事務所へやってきた。

80年代に流行したアメリカのロックバンドのスタジャンを来た大家は、みたところ4,50代の小太りの男性だった。

彼は、事務所にきて、誠と顔を合わすなり言った。

 

「先生。私の父は殺されました。先生、父を殺した犯人を捕まえてください。

陰謀が動いてるんですよ」

  

☆☆☆☆☆

25話めは以上です。

100物語も4分の1が経過しました。

僕自身がまとめて読み返したりは、していませんが、実話等も多く含まれていますので、まとめて読むとあなたの隣に怪異が訪れるかもしれません。

もし、そうなっても一切、責任は負えませんので、御了承ください。 

「その家」も、モデルになっている出来事があります。実体験がベースです。

人に歴史ありではないですが、探せばあるもんですね。

 

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