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本の紹介02 魔境遊撃隊 栗本薫

 

魔境遊撃隊 (第1部) (角川文庫 (5810))

魔境遊撃隊 (第1部) (角川文庫 (5810))

 
魔境遊撃隊 (第2部) (角川文庫 (5811))

魔境遊撃隊 (第2部) (角川文庫 (5811))

 
魔境遊撃隊―ナイルの呼び声 (富士見文庫-富士見ドラゴンブック)

魔境遊撃隊―ナイルの呼び声 (富士見文庫-富士見ドラゴンブック)

 

 こんにちは。本気で本です。

前回に引き続き、今回も栗本薫の著作の紹介です。

「魔境遊撃隊」いまから33年ほど前に出版された、若者むけの小説です。

当時はライトノベルという言葉はありませんでした。

本作の主人公というか狂言回し(物語の進行役)は、作者と同姓同名の作家、栗本薫くんです。

ストーリーを簡単に紹介すると、大学を卒業して作家になった栗本薫くんが、謎めいた美少年、印南薫くんに導かれて、南半球の孤島セント・ジョゼフ島へ探検へ行く、というものです。

この小説でポイントになるキャラクターは、この印南薫くんで、足が不自由な現実離れした美少年で、なにやら神秘的な力とも通じているらしい、というわけで、栗本薫の著作でたびたび登場する、運命の美少年(出会ったら人生が変わってしまう)キャラの典型ともいえる、この印南薫くんがこの物語のキーマンです。

印南薫くんは、本作の他にも、ホラー短編「猫目石」!?(栗本薫には同名のミステリもあります)にも登場しますし、栗本薫がデビュー前に書いていた作品にも登場するキャラクターのようです。

周囲の人を魅了してしまう謎めいた美少年、というのは、なまじっか美少女でなく、美少年だからこそ、美少女よりもやっかいです。

とくに自分のような男性読者としては、人生を狂わせるような美少年と出会った経験は、もちろん、ありませんから、読んでいて、なんじゃそりゃ、と思うことも多々あります。

それでも、まったくそっちの気のない僕のような人間にも、神秘的な美少年との冒険記を楽しい、と思わせる筆力が、当時の栗本薫にはありました。

おそらく栗本薫の中には、印南薫=ホラー系の人、という認識があったようで、他の印南薫がでてくる作品と同様に、この作品もホラーティストな味付けがされています。

ネタバレになってしまいますが、ホラーはホラーでも、コズミックホラーです。

栗本薫(作中の)くんも発狂せずに無事に帰ってこれて、よかったね、というオチです。

栗本薫には、130巻まで書いて未完で終わった「グインサーガー」と人類対妖怪?大戦争の「魔界水滸伝」という大長編がありまして、他には栗本薫(作中人物)くんや伊集院大介(名探偵)などなどの登場するミステリよりの作品世界がありまして、この「魔境遊撃隊」はそれらの作品世界をすべてクロスオーバーさせようという試みでした。

その試みを望んでいたのは、栗本薫(作者)自身しかいないアイディアだったと思います。なんでもつなげりゃいいってもんじゃありません。

ちなみにこの作品が書かれた頃は、栗本薫(作者)が商業的に人気のピークを迎えていた頃で、上に貼ったように本作はゲームブックも発売されました。信者的ファンだった僕は、これも購入しました。あと、アマゾンにもさすがに見当たらないけど、イメージアルバムということで、小説の内容からインスパイアされた楽曲を収めたLPレコードも発売されていました。当時それも買っていた僕は、バカだと思います。

いま、ラノベやそこから派生したアニメ、マンガに大金をつかっている人もいますけど、三十年以上前にも、似たようなビジネスはあったし、それに夢中になっていたファンはいました。

ああいうのは、夢中になっている時は、楽しいよね、と僕は思います。

「魔境遊撃隊」は当初、角川書店の文芸誌「野生時代」に一挙掲載されて、すぐに角川文庫化(1984)されたけれど、それはすでに絶版になっていて、1998年にハルキ文庫で復刊されましたが、2018年現在は、ブックオフを探すのが、一番、手早い気がします。1984版は、当時そこそこ売れていたので、古本屋にも多いです。

10、20代の若者向けの軽い読み物は、最新のものを追わなくても、すでにもう歴史のある文化になっていると思います。

現実にはありえない美少年とのめくるめく冒険をお望みの方へオススメします。

 

 

 

 

 

 

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