こんにちは。本気で本です。
こんな記事を書くくらいなので当然なのですが、僕はX-ファイルが大好きです。
テレビシリーズはシーズン1~9をリアルタイムでレンタル屋(初期はVHS)で追いかけて、いくつかのシーズンと2作の映画版はDVDを購入したくらい好き。
そんなXファイルが14年振りに復活したのは2016年のことでした。
今回の復活は全6話のミニシリーズでしたが、それでも全世界のファンが待っていたということで、広告によれば世界最高の視聴率を記録したとか。
で、さすがに僕も40終盤になり、仕事も忙しかったりして今回は、リリースされてもなかなか見られずに放置していたのですが、やはり心のどこかでずっと「見てないXファイルを見なきゃ」と引っかかっていて、でつい先日、ようやくX-ファイル2016 をちゃんと観たのでした。
すでに2018が発売されているのは知っているけど、海外のテレビドラマは観だすと時間がかかるものが多くて、ちょうど、先日、24の日本版の製作が発表されたので、いい機会だし、24をきちんと見てみようと思った時に、いやいや24よりもXファイルだろ、と心の声に聞こえてきて、ついに2016に手をのばしたわけです。
もともと僕は、プリズンブレイクより、ブレイキングドーンより、Xファイルファイルの人間なので、観れば120%楽しめるのはわかっていたのですが、2016は本当に観てよかった。
自分がXファイルファンなのが確認できる内容です。
では、以下にX-ファイル2016の全6話のネタバレ、感想、解説を書きますので、ネタバレを読むたくない方は、今回はここまでということで。
エピソード1「闘争 Part 1」
☆☆☆☆★
ネットや新聞、雑誌のテレビ評で酷評されたというこのエピソードは、Xファイルのリスター的なお話です。
エピソードのはじめでは、モルダーもスカリーもXファイルを離れて、それぞれ別に暮らしています。
そこに「隠された真実を明らかにする!!」触れ込みで、ネットで陰謀暴露番組を公開しているキャスターが、2人に接触を求めてくるのです。
2人は彼と会い、モルダーは彼の言い分を信じて、政府が人類に隠ぺいしてきた陰謀のため、人々はいまも見えない脅威にさらされている、それを大衆のもとに暴かなければならない、と動き出すのでした。
そして、モルダーらの動きに気づいた影の政府の圧力によって、宇宙人にアブダクトされた経験を持つという女性、スブタは殺害され、宇宙人の技術を生かした宇宙船を複製していた秘密倉庫は爆破されます。
世界には、みんなの知らない陰謀があるぞ!!
政府はそれを知っているぞ!!
その秘密に近づくと消されるぞ!!
Xファイルのメインテーマと呼んでもいい、政府の陰謀とUFOネタがでてくる、Xファイルの定番ネタ、展開がコンパクトにまちまったエピソードです。
批評家には新味がないことが不評だったようですが、僕のようなファンからすれば、Xファイルってコレだよね!! という感じのお話でした。
一応、このエピソードでFBIのXファイル課は再始動して、モルダーもスカリーも職場復帰します。
つまりモルダー&スカリーに味方するFBI副長官のスキナーは、影の政府よりも、モルダー&スカリー寄りってことですよね。
エピソード2「変異」
☆☆☆☆★
マッドサイエンティストと政府の陰謀と、Xマンというか、人工的に生み出された超能力者がアキラやクロニクルみたいに暴走するお話です。
Xファイルは以前から、こうした既存のホラー、SF作品へのオマージュ的なエピソードを製作してきましたよね。
本作では、アキラのテツオというか、LOOPER(ルーパー)の彼のような超能力者たちがでてきます。
能力的には普通の人間であるモルダーやスカリーがそれにかなうわけもなく、これまたXファイルらしく、なにもできず、傍観者としてことのなりゆうきを目撃します。
クロニクルもLOOPER(ルーパー)も10年代のSF映画として人気、定評のある作品ですよね。
XファイルがきっかけになってこれらのSF映画を観る人が生れてくれたら、製作総指揮のクリス・カーターはいい仕事してると思います。
最後はすっきりしないものの、勧善懲悪ではあるし、批評家の評価も高いので、2016の中で一番、一般ウケしやすい気がします。
エピソード3「トカゲ男の憂鬱」
☆☆☆☆☆
今回はトカゲ男のお話です。
UMAというかずばりモンスターですね。
UFO、超能力者ときて、怪物(モンスター)ものと、オタク、ボンクラ系のB級映画ファンにはたまらない並びです。
人間に噛まれてしまったために、人間に変身してしまったトカゲ男が、自分はどうすればいいのか? 悩み、奮闘して騒動を起こします。
もちろん、我らがモルダーは彼の理解者として事態を解決すべく動くのですが、そこはXファイル。すっきり、すんなりというふうにはいかず、ゴタゴタごちゃごちゃして、それでもこのエピソードは、はっきり解決がつくので、Xファイルの中ではもやもや度が低く、でてくる怪人がCGではなく、特殊メイクっぽいところも好感度高し!!
トカゲ男のルックスが懐かしのショッカー怪人っぽいところも見どころです。
21世紀の2010年代にこんあバカバカしい作品をまじめに製作するところも、Xファイルらしくていいですよね。
エピソード4「バンドエイド・ノーズ・マン」
☆☆☆☆★
ホームレスを収容所に押し込んだり、なんだりで街から追いだそうとする連中が、腕や首を引きちぎられて、惨殺されてゆく。
これまたいかにもアメリカンB級ホラー、スプラッター的なエピソードです。
タネあかしすると、壁に描かれて不気味な大男の落書き(バンドエイド・ノーズ・マン)が具現化して人々を殺して回ってるわけですが、モルダー&スカリーはいつものようにそれを止められません。
スカリーの母親が危篤状態に陥り、亡くなる話とバンドエイド・ノーズ・マンの大暴れが交互に語られます。
人の想いは、現実には存在しないものも、この世に誕生させる、というのがテーマのお話らしいのですが、単純にバンドエイド・ノーズ・マンが悪魔の毒々モンスターを思い出させてくれてB級ホラー映画ファンはそれだけでうれしいはず!!
トカゲ男といい、こうした20世紀発のB級ホラーの新作をテレビで放送するなんて、20世紀FOXは偉大なテレビ局だと思います。
僕は、怪奇大作戦とかウルトラQとかのテイストをXファイルに期待しているので、こうしたエピソードはドストライクです。
お話としては解決もクソもないですが、ホラーとして考えれば、きれいにまとまっていると思います。
勧善懲悪だしね。
エピソード5「バビロン」
☆☆☆☆★
自爆テロの実行犯が生き残って、植物人間状態の彼から情報を引きだせるか?
というエピソードです。
モルダー、スカリーのFBIの後輩として、アインシュタイン(女性、医者、理知的)とミラー(男性、オカルト信じる派)が登場します。
でもって、モルダーとアインシュタイン、スカリーとミラーが組んで行動します。
スカリーは理知的科学的な捜査を展開し、モルダーはマジックマッシュルームでチャネリングしようとします。
ラリったモルダーのダンスや妄想世界でSMプレイをしたりするシーンが見どころですね。
お話としては、モルダーがチャネリング中に捜査対象から聞いた言葉「バビロン」がヒントとなって次の自爆テロを防ぎ、テロリストたちを無事逮捕します。
しかし、植物人間状態になった自爆テロ実行犯への取り調べとか、よく考えつきますね。
しかもモルダーがマジックマッシュルームを使ってチャネリングするなんて、視聴者が誰も想像していなかった展開です。
これに呆れるか、Xファイルすごい!! と尊敬するかは、好き嫌いの分かれめではないでしょうか?
僕は当然、肯定派です。
ネタとして不謹慎だとは思いますが、ここらへんがアメリカ人のユーモア精神ってやつなんですよね。
エピソード6「闘争 Part 2」
☆☆☆☆★
2016全6話の最終エピソードは、なんと細菌ものの絶滅SFです。
モルダーを含めた全人類がDNAにしこまれたウィルスで発病し、人類絶滅の危機を迎えます。
40分少々の尺でこれをやるのも、Xファイルでこれをやるのも、ムリなんじゃないの? と思いますが、しかし、やるんですよ。
これまでも各シーズンのファイナルエピソードは、クリフハンガーで次シーズンに続くお話で幕引きというのはやっていましたが、今回もそれでした。
Xファイルファンの僕からしても、モルダーとスカリーが人類の生存の鍵を握る存在になるのは、ムチャというか、ヤリすぎだと思いました。
悪役のスモーキング・マンもしっかり登場、モルダーに銃口を突きつけられたたり、直接対決します。
人類を救うにはモルダーとスカリーの息子であウィリアムの細胞が必要だ!!
というところでエピソードは終わりますが、
これもなんとなく、子供を産めなくなった人類の暗い未来を描くSF、トゥモロー・ワールドを思わせる雰囲気で、シーズンファイナルをこんなマニアックなものにせんでもいいだろ、と僕は思いました。
ここまで観た人は続きが観たくなりますよね。
続編のXファイル2018はこの続きの「闘争 Part 3」からスタートします。
やれやれ、全10話の2018も観るしかなさそうですね。
だから、海外ドラマは観だすと時間が・・・